新卒面接をしていて感じる、「質問力」の差について

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UnsplashMaranda Vandergriffが撮影した写真

私は人事部ではないが、採用のピーク時期になると、面接官として新卒採用のお手伝いをすることがある。

その中で、毎年感じることがある。
それは、学生側の「質問力」の差だ。

もちろん、就活生の多くはしっかり準備している。受け答えも丁寧で、最低限のマナーで困ることはほとんどない。

ただ、面接の最後にある「何か質問はありますか?」の時間になると、その人がどれだけ会社や仕事を理解しようとしているかが、かなり見えてくる。

この記事では、面接官をする中で感じた「質問する力」について、主観的に書いてみたい。


面接は「質問される場」だけではない

最近の新卒採用では、一方的に企業側が質問し、学生が答えるだけの面接は少なくなってきた。

売り手市場が続く中で、企業と学生との間に認識のギャップがあると、たとえ入社したとしても、早期離職につながりかねない。

それは企業側にとっても、学生側にとっても不幸だ。

だからこそ、少なくとも一次面接の段階では、学生側からの質問時間をしっかり確保している会社が多いと思う。

面接は、「選考の場」であると同時に、「相互理解の場」でもある。


「質問ありますか?」で見えてくるもの

事前に断っておくと、この記事で面接の評価項目そのものについて語るつもりはない。

そもそも、細かな評価基準を知ったところで、それほど意味があるとも思っていない。

部活でもアルバイトでもいい。
何人もの応募者の中から誰かを選ぶ場面を想像すれば、「どんな人と一緒に働きたいか」は、ある程度感覚的に理解できるはずだ。

ただ、一つだけ言うとすれば、面接官も組織の一員であるということだ。

採用・不採用のいずれにしても、面接官はその理由を上司や関係者に説明しなければならない。

「なんとなく良さそうだったから」だけでは、組織として判断できない。

だからこそ、面接では「その人が何を考えているのか」を、限られた時間の中で必死に見ようとしている。

そして、その手がかりの一つが「質問の仕方」なのだと思う。


① 返ってきた答えを、もう一歩掘り下げる

就活生は、事前準備をかなりしている。

そのため、「質問ありますか?」に対して、何も聞けない人はほとんどいない。

ただ、もったいないと感じるのが、「入口の回答」で満足してしまうケースだ。

例えば、誰かに「趣味は何ですか?」と聞いて、

「映画鑑賞です。アクション系が好きです」

と返ってきたとする。

そこで会話を終わらせてしまうだろうか。

どれくらいの頻度で観るのか。
最近観た作品は何か。
なぜアクション映画が好きなのか。

いくらでも掘り下げられる。

企業研究でも同じだ。

例えば、

「御社の強みは何ですか?」

という質問自体は悪くない。

ただ、その回答に対して、

  • その強みはどこから生まれているのか
  • 環境変化の中でどう維持してきたのか
  • 日々のどういったシーンで感じるのか

といった形で、さらに深めることもできる。

表面的な理解で終わらず、「もう一段踏み込む姿勢」があるかどうかは、かなり印象に残る。


テンプレート化しすぎない

もちろん、ある程度の質問パターンを準備しておくこと自体は悪くない。

複数企業を比較する場合であれば、同じ観点で質問する意味もあるだろう。

ただ、相手の回答に関係なく、あらかじめ決めていた質問を順番に消化するだけになってしまうと、会話ではなく「アンケート」に近くなる。

個人的には、面接で重要なのは、

「相手の言葉を受け止め、その場で考え、自分の言葉で返すこと」

だと思っている。

これは就活だけではなく、社会人になってからのコミュニケーション全般にも通じる。

一次面接はまだいいとして、経営幹部たちにとっては、発せられた言葉が自ら考えた言葉かそうでないかというのは簡単に判別できると思っておいた方がいい。

もちろん、すべてを深掘りしていては時間が足りない。

だからこそ、「どこを深く聞くか」という感覚も大切なのだと思う。


② 抽象的な話ほど、具体的に聞く

就活生からよく聞かれる質問として、

  • 「どんな雰囲気の会社ですか?」
  • 「どんな人が多いですか?」

といったものがある。

ただ、正直に言うと、この手の質問は回答がかなり抽象的になりやすい。

「風通しがいいです」
「和気あいあいとしています」

と言われても、それだけでは実態はよくわからない。

むしろ、こういう曖昧なテーマほど、具体的に聞いた方がいい。

例えば、

  • 飲み会はどれくらいあるのか
  • 女性社員はどれくらいいるのか
  • 男性育休の取得実績はどうか
  • テレワーク頻度はどの程度か
  • 社内イベントやサークルはあるのか

など、聞き方はいくらでもある。

定量的に聞けば、他社比較もしやすい。

また、会社員側は意外と他社の実態を知らないことも多い。

場合によっては、就活生の方が情報を持っているケースすらあると思う。


③ 「働く姿」を具体的に想像する

もう一つ、面接でよく聞かれるのがキャリアの話だ。

「5年後、10年後にどんなキャリアがありますか?」

という質問は非常に多い。
もちろん、それ自体は重要だと思う。
ただ、個人的には、その前に考えてほしいことがある。

それは、

「この会社で、どんな毎日を送るのか」

を具体的にイメージできているか、ということだ。

一日をどう過ごすのか。
誰と関わるのか。
何を調べ、何を提案し、どう仕事を進めるのか。

そこが曖昧なまま入社すると、思っていた仕事とのギャップが生まれやすい。

もちろん、実際に働かなければわからない部分はある。

ただ、「日々の働き方」を理解しようとする姿勢は、ミスマッチを減らす上でかなり重要だと思う。

個人的には、業績目標の設定や、その管理方法について聞いてみるのがおすすめだ。

少し踏み込んだ質問に感じるかもしれないが、「その会社が何を重視しているのか」がかなり見えやすい。


まとめ

もちろん、面接だけで会社のすべてがわかるわけではない。

ただ、「どんな毎日を送るのか」を具体的に想像しようとする姿勢は、入社後のミスマッチを減らすうえで重要だと思う。

面接は、企業が学生を選ぶ場であると同時に、学生が企業を見極める場でもある。

だからこそ、「何を答えるか」だけでなく、「何を聞くか」にも、その人らしさが出るのだと感じている。